「通常損耗も借主負担」という特約は有効?
契約書に「通常損耗も借主が負担する」と書かれていた——。経年劣化まで払わされる特約は本当に有効なのか。国交省ガイドラインから、無効と判断されやすいケースを見ていきます。
更新日: 2026-06-13
退去のとき精算書を見たら、家具のへこみや日焼けした壁紙まで原状回復費として請求されていた。問い合わせると「契約書に『通常損耗も借主負担』と書いてあります」と言われた——。そんな場面、ありますよね。
普通に住んでいればつく傷み(通常損耗・経年劣化)は、本来あなた(借主)が払わなくていいもの。でも特約があると言われると、引き下がるしかないのでしょうか。先に結論を言うと、その特約、無効と判断されることが少なくありません。
そもそも「通常損耗の特約」って認められるの?
通常損耗まで借主負担とする原状回復特約は、それ自体が即アウトというわけではありません。無効ではない、というのが出発点です。
ただ、ここから。通常損耗は本来貸主が負担するもの。それをあえて借主に背負わせる特約なので、有効と認められるためのハードルがかなり高く設定されています。
どんな特約なら効力を持つ?
国交省のガイドラインでは、こういう特約が効力を持つには、ざっくり次のような点が必要とされています。
- どこまで・いくら負担するのか、契約書に具体的に明記されている
- 借主がその内容を認識したうえで合意している(口頭で軽く触れただけ、では足りない)
- 借主にとって不当に重い、暴利的な負担ではない
逆に言うと、「原状回復は借主負担とする」とだけ書かれた一文や、説明もないまま判を押させた曖昧な特約は、この条件を満たさず無効と判断されやすい、ということです。
こんな請求は要チェック
- 「通常損耗も借主負担」とあるが、対象も金額もどこにも書かれていない
- 契約のとき、その特約についてまったく説明を受けていない
- 家具のへこみや日焼けなど、明らかに経年劣化の分まで上乗せされている
特約があるからと諦める前に、その特約がそもそも有効なのかを確かめるのが先です。下のチェッカーで、あなたのケースがどちら寄りか、まず目安を確かめてみてください。