部屋全体のクロス張替えを請求された。応じるべき?
壁の一部しか汚れていないのに「色合わせで部屋全体を張替え」と請求された——。どこまでが借主負担で、どこからが大家さん負担なのか、国交省ガイドラインの考え方で解説します。
更新日: 2026-06-13
退去のとき、「色味を揃える必要があるので、お部屋全体のクロスを張替えます。費用は数万円」と書かれた精算書が届いた——。汚したのは一面の一部だけなのに、なぜ部屋まるごと?と引っかかった人は多いと思います。
先に結論を言うと、汚れが一部なら、負担するのは原則その箇所まで。「色合わせのために全体を張替える」分まで、あなた(借主)が払う必要はないのが基本です。
汚したのは一部なのに、なぜ「全体張替え」?
クロス(壁紙)はロットによって微妙に色が違うので、一部だけ貼り替えると新しい部分が浮いて見えます。そこで施工側は「見た目を揃えるため」部屋全体の張替えを提案してくる。これ自体はよくある話です。
ただ、ここからが大事。一部の汚損で張替えが必要なとき、国交省のガイドラインでは「原則は汚損した箇所まで」が借主負担とされています。色合わせのために広げる全面張替えは、見栄えを良くするための工事——つまり大家さん(貸主)側の都合なので、原則として貸主負担です。
「全体が借主負担」になるのはどんなとき?
例外は、汚れや傷みが本当に部屋全体に及んでいる場合です。代表例がタバコのヤニや臭い。喫煙でクロス全面に色や臭いが染み付いているなら、その部屋全体の張替えが借主負担になることがあります。
そしてこの場合も、全額ではありません。クロスは6年で価値がゼロになる扱い(耐用年数)。住んだ年数が長いほど負担は減り、計算式は (6 − 経過年数) ÷ 6 です。
- 1年で退去 → 負担はおよそ 83%
- 5年住んでいた → 負担はおよそ 17%
- 6年以上住んでいた → 壁紙の価値はほぼゼロ。原則として払わなくてOK
こんな請求は要チェック
- 一部の汚れなのに、色合わせを理由に部屋全体を借主負担にしている
- 汚していない壁・天井まで張替えに含めている
- 全面張替えなのに、住んだ年数(減価)が反映されていない
下のチェッカーで、あなたのケースが「箇所のみ」と「全面負担」のどちら寄りか、まず目安を確かめてみてください。